2026.9.3

制作の始まりから終わりまで。

ーーmountのプロジェクトマネージャーは、ものづくりにどう関わる?

進行管理、スケジュール調整、クライアントとのやりとり。
プロジェクトマネージャーの仕事と聞くと、まず思い浮かぶのはそんな役割かもしれない。
mountでプロジェクトマネージャーとして働く仲橋に「プロジェクトマネージャーは、ものづくりにどこまで関わる人ですか?」と聞くと、「制作のスタートから終わりまで、すべて」と返ってきた。
その「すべて」とは何なのか。普段の仕事と『PERFECT DAYS』公式サイト制作での経験から聞いた。

メンバー

話し手

仲橋 祥子

仲橋 祥子

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目次

1. つくる人が、つくることに集中できるようにする

仲橋が仕事をする中で、ふと思い出すという3つの言葉がある。

「運び屋にならないこと」。

自分が受け取った要望を、そのまま誰かへ丸投げして渡さない。一度自分で理解して、「自分はこう思う」「ここは確認した方がいい」と考えてから次につなぐ。間にプロジェクトマネージャーがいる意味を、自分の解釈を加えることでつくる。

「頼まれ事は、任され事」。

新卒の頃に教わった言葉だそうだ。小さな仕事でも、頼まれたということは任せてもらったということ。ひとつずつ丁寧に返すその積み重ねが信頼につながり、次に任せてもらえる仕事を増やしていく。

そして、3つ目は

「メンバーの体調管理もプロジェクトマネージャーの仕事」。

もちろん、体調そのものは一人ひとりが管理するもの。ただ、プロジェクトマネージャーが無理なスケジュールを引けば、そのしわ寄せは関わる人全員にいく。プロジェクトマネージャーが見ているのは進行表だけではなく、その予定の中で誰が、どんな状態でものづくりをすることになるのか、というところまでだ。

仲橋

仲橋

3つに共通しているのは、丁寧に、現実的かどうかまでちゃんと自分で考えることなのかなと思います。

その考え方は、日々の進行にも表れる。例えば、関係者からの連絡が五月雨・大量に来たり、スケジュールが急遽遅延した場合も、スケジュール状況や内容を整理し、可能なかぎり無理なく作業ができるように調整をする。それは、クライアント、関係するパートナーの方、社内メンバーすべての人にできるだけ負担がかからないように調整をするためだ。

仲橋

仲橋

みんなが不要なストレスを抱えずに、自分の作業に集中できる環境をつくることは、すごく意識しています。

別の案件では、大量のイラスト制作のスケジュールを細かく管理し、イラストレーターさんに締切のリマインドをこまめに行った。

仲橋

仲橋

イラスト自体は描いていませんが、作業後に「スケジュールを細かく切って連絡してくれて助かりました」と言われた時は嬉しかったです。締切や全てのイラストの進捗を把握するという観点を、イラストレーターさんの代わりに担っている気持ちでした。

自分が直接手を動かさない場面でも、つくる人が集中できる状態をつくる。それもまた、プロジェクトマネージャーとして、ものづくりを支えるための仕事のひとつだ。

2. 必要なら、PMも手を動かす

仲橋がmountに入って最初に新規で担当した『PERFECT DAYS』では、プロジェクトマネージャーとして進行するだけでなく、ワイヤーフレームをつくり、環境音や文字の演出にも手を動かした。

仲橋

仲橋

プロジェクトマネージャーという肩書きで、まさか音の調整をしたり文字をバラバラにしたりするとは思っていませんでした。(個人的にはとても好きな作業だったので、没頭していました)

完成したサイトには117個の環境音が使われている。環境音は、ただ一定方向に流れているだけでなく、スクロールのタイミングや速さによって聴こえ方が変わるので、Webサイトとしてどんな状況でも耳障りよく聴こえるように、パターンを何度もつくった。

文字の演出では、一画ずつ書き順通りに描くための専用ツールを使い、一文字一文字の軌跡をデータ化する作業にも参加した。

制作当時に使用したツール

▲環境音ツール
▲文字のアニメーション制作ツール
仲橋

仲橋

一般的にいう「プロジェクトマネージャー」よりも任されることは多いので大変なこともありますが、作業をする瞬間が多く、「自分もつくっている」という感覚になりやすい環境だと思います。

役割を越えること自体が目的ではない。目の前のものを良くするために、自分がやった方がいいことがあれば手を伸ばす。その結果として、プロジェクトマネージャーの仕事が進行管理だけに収まらない場面がある。

3. 「すべて」に関わるから、考え続ける

仲橋

仲橋

プロジェクトマネージャーが案件のどこまでつくる人か、っていうと、全部ですね。特にmountでは、すべての工程に関わっていると思います。

案件が始まってから公開・リリースまで、プロジェクトマネージャーにはさまざまな情報が集まる。誰が何をしているのか。次に何を決めるのか。必要なデータはどこにあるのか。

仲橋

仲橋

アートディレクターと同じくらい案件全体の情報を把握している状態を目指していますし、mountではプロジェクトマネージャーにもそれが求められていると思います。全部の工程に関わっているから、全体について答えられる人でいたいです。

そして、ものづくりに必要なのは手数だけではない。
仲橋は以前、弊社代表のイムから「表現においてアートディレクターはなんで偉いんだと思う?」と問われたことがあるそう。その答えは、「一番考えているから」ということだった。

仲橋

仲橋

デザインで一番大事なのは、「どこまで考え抜かれているか」という思考量だと思います。「なぜこうなっているのか」をちゃんと言葉にして説明できることは、mountでは特に大事にされていると思います。

受け取った情報を考えて次へ渡す。つくる人が集中できる状況をつくる。必要なら自分でも手を動かす。そして、最初から最後までプロジェクトについて考え続ける。

支えるだけではなく、ものづくりの中にいる

プロジェクトマネージャーだからここまで、デザイナーだからここまで、と役割を区切るのではなく、より良いものをつくるために、今このプロジェクトに何が必要なのかを考える。つくる人が力を発揮できるように整えることも、自分の意見を持って議論に入ることも、ときには自分で手を動かすことも、その延長線上にある。

進行管理の外側へ仕事を広げることが目的なのではない。ひとつのものづくりに最初から最後まで関わり、必要なところに手を伸ばし続ける。仲橋の話を聞いていると、mountのプロジェクトマネージャーは、ものづくりを支える人であると同時に、ものづくりの中にいる人なのだと感じる。

つくることではなく、課題の解決が目的です。ぜひお悩みからお聞かせください。

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