2025.1.22
[PLST]
全員野球で走り抜けた1ヶ月半。
次世代を担うメンバー主体の
プロジェクトの制作秘話。
2024年8月中旬。
蒸し暑さの残る季節に、「冬の美脚パンツ」特集ページの制作がスタートしました。
サイト公開は10月上旬に決まり、制作期間は約1ヶ月半。通常のプロジェクトが短くても3ヶ月から半年ほどかけて進められる中、今回は非常にタイトなスケジュールでした。私たちは「mountらしいよいものづくり」を実現するべく、限られた時間の中で、企画の検討に始まり素材まですべて制作しました。

メンバー
話し手

山﨑 末鈴
De

仲橋 祥子
Dir

林 英和
AD

岡部 健二
TD

山下 亜加里
Dev
撮影

岡部 健二
TD
目次
時間との戦いを乗り越えた、チーム一丸の挑戦


仲橋
「時間との戦い」という言葉がぴったりのプロジェクトでしたが、それでも妥協せずに進めることができたのは、多くの方々の支えがあったからです。限られた時間の中で、私たちができる最大限の取り組みを実現することができました。

山﨑
私もキックオフしてから毎日焦って緊張していました...。
それでも全員が一切の妥協なく、全ての工程においてそれぞれが全力で取り組んだからこそ、このプロジェクトをやり切れたと思います。企画・デザイン・実装はもちろん、ウォームリザーブパンツの魅力を伝えるためのすべての素材(写真や言葉など)の制作も一から行うことができたのは、クライアントやパートナーの皆さまのプロフェッショナルかつ迅速な対応のおかげです。

仲橋
社内の制作メンバーも連日朝から夜まで一丸となり、デザイン、実装、音制作のすべてにおいて、納品日ギリギリまでよりよいものを目指してブラッシュアップを続けていました。全ての工程が同時に進行していく中、皆が一丸となって取り組むことで、チームとしての力を発揮できたと思います。今回のプロジェクトを通して改めて、多くの方々に支えられていることを実感しました。
1. 企画フェーズ
キックオフしてすぐにフルスロットルでスタートしたこのプロジェクト。
企画フェーズでは、企画、WF作成、構成検討、ビジュアルや写真素材の検討、さらにコピーライターやカメラマンの選定とアサインを同時進行で進めました。これらをすべて進めた期間は、わずか1週間でした。

PLSTらしさを守りつつ、新しいインパクトを生み出す試み。
企画を決める上で一番難しい部分だったウォームリザーブパンツの見せ方。
この商品は東レと共同開発した独自繊維を使用し、1枚で暖かく履き心地も抜群。それに加え、PLSTのブランドコンセプトの「きちんとしていたい時の『毎日服』」を体現した美脚シルエットが特徴です。これらの魅力とWebサイトとしてのインパクトをどのようにバランスよく伝えるかについて、チーム全員で何度も議論を重ねました。

山﨑
特に、コンテンツやビジュアルを決める段階では、ブランドコンセプトに沿いつつ、派手すぎないけれどインパクトのあるWebサイトを作るためのバランスにとても悩みました。

仲橋
クライアントからは「既存のお客様に馴染むPLSTらしさを継承しながら、Web上でのインパクトも出してほしい」との要望がありました。商品の上品さやブランドの雰囲気を損なうことなく、垢抜け感ときちんと感を兼ね備えた表現を追求し、AD林さんやTD岡部さんとも繰り返し議論しました。

林
最終的には、PLSTらしさとウォームリザーブパンツの魅力を両立させるため、全ての素材(写真や文章など)を弊社主導で新たに制作。既存の素材に頼らず、一から作り上げたコンテンツによって、商品の魅力をより鮮明に伝えることができました。

パンツを履いたら「浮く」ってどう?
ウォームリザーブパンツの魅力の抽出・整理を進める中で、キーワードとなってきたのは「ひっかかり」。パンツ自体のデザインはシンプルながら、見た人に「普通のパンツと何か違うぞ…?」と違和感・不思議さを感じてもらうための検討を開始しました。そこで出てきたのが、モデルの足元が浮いてたら面白いんじゃないか?という案でした。

山﨑
最初に「浮く」というキーワードが出てきたのは、岡部さんからでした。日常風景の中にいる人が飛んでいるような写真集を岡部さんが知っていて、こういう違和感はどう?という案から始まりました。ただ、浮遊感と言ってもいろいろあって、本人が自らジャンプしている感じなのか、浮かされているのか、自分の意志を感じるのかなど、なぜ浮くのか・どう浮くのかを詰めるのが難しいところでした。

仲橋
最初は足元の角度だけがどこか不思議で、地に足がつかない程度で考えていましたが、最初のコンセプトからちょっとずつアップデートされて、先方ともすり合わせて、最終的には浮遊感よりも意思をもって前に進んでいくような浮き方になりました。 このニュアンスや、浮く意味をクライアントとすり合わせるのは、かなり難しかったです…。
暖かさを表現するための「熱源くん」の誕生

仲橋
「あったかい」ことを伝えるデザインは世の中にたくさんありますが、その多くがサーモグラフィの表現に依存していました。演出を考える上で「サーモには逃げない」を合言葉に、直感的に暖かさを感じられる方法を探しました。

山﨑
その中で出てきた案が、『熱源が自分の近くをまわる』というアイデアでした。熱の塊みたいなものが、パンツを履いている人に影響を与えたら面白いんじゃないか…と。このインタラクションを私たちは「熱源くん」と呼んでいました。

2. デザイン・実装(助走)フェーズ
デザインフェーズではデザインと並行して、実装、コピーライティング、モデルオーディション、撮影が進行していました。
言葉に関しては、伝えたいポイントを整理した上でそれを的確に表現できるコピーライターの三浦 麻衣さんに力を貸していただきました。連日すぐに対応してくださり、とても助けていただきました。撮影周りの進行については、amanaさんのご尽力の甲斐があり、短期間で諸々の手配や準備、撮影まで滞りなく進めることができました。

理想のビジュアル実現に向けたチームビルドと徹底検証
理想のビジュアルを実現するために、モデルのアサインやオーディション、スタイリング、それらを実現するためのチームビルドもamanaさんと一緒に行い、撮影やレタッチなども細やかな調整を重ねながら進めました。


仲橋
テスト撮影では、足裏の見え方が自然に映る角度や、浮遊感が伝わるアングルを徹底的に検証しました。本番では、レタッチ用に足裏だけの素材も撮影。レタッチャーの方々には、短いスケジュールの中で無理な要望にも快く対応いただき、本当に感謝しかありません...。仕上がりを見たPLSTの皆さんが、「パンツの柄がこんなに綺麗に見える仕上がりにしていただきありがとうございます」と喜んでくださったのが印象的でした。

山﨑
浮遊感だけでなく、インタラクションの熱源がパンツに色移りしているような表現も検証を重ねました。岡部さんがモック制作を早期に進めてくださったおかげで、デザインの静止画だけでは伝わりにくいニュアンスを共有でき、テスト撮影でもそれを活用しながら検証を進めることができました。

熱源くんをリアルかつ効果的に見せるための工夫


山下
熱源くんはスマホで触るとPCとは違った表情を見せます。スマホの狭い画面でも熱源くんの良さを引き出すために、さまざまな工夫をしていた岡部さんが、今の形に辿り着いた時に「あいつ、いい奴ですよね」と言っていたのが印象的でした。

【熱源くんの仕組み解説】


仲橋
熱源くんの仕組みが気になるのですが、仕組みにあまり詳しくない私にも分かるように少しだけ解説をお願いします…!

岡部
モデルさんの周りに漂っている熱源については、熱源の発生源が回転しながらゆらゆら動いているだけで、もっと噛み砕いていうと自動的に動くカーソルが2体いるだけ。それらが動く範囲を画像1枚ごとに指定しています。


仲橋
なるほど…。
熱源の光がモデルさんに反射する演出についてはどうやってるんですか?

岡部
下記のように重なっている)3つの画像を、熱源が描く軌跡の情報でマスクして、熱源の近くの画像に色移りが反映されるようにしています。


岡部
カーソルを動かしたり指でなぞったりする方向に応じて色付けしたものと力の強さを可視化したものを裏でレンダリングしていて、それらを照らし合わせてクリッピングマスクのテクニックで自然に見せるように工夫しました。
カメラマンのカク ユウシさんが色移りのある写真を2色分提案してくださったファインプレーが光り、よりリッチな演出にすることができました。


仲橋
テスト撮影の際に熱源のモックをカクさんに見せることができて良かったです。併走していたからこそできたことだと思います。
3. 実装・仕上げフェーズ
最後の実装フェーズでは、妥協なしのデザインのブラッシュアップ、音制作、写真のレタッチ作業が並行して進行。納品日が刻々と近づく緊張感に毎日ヒリヒリしつつ、それぞれがブラッシュアップを続けました。

素材の質感とシルエットを伝えるための「立体感」

山下
熱源くん以外にも、写真を立体的に見せている部分は本サイトのこだわりの一つだと思います。立体的に見えることで、ウォームリザーブパンツを履いたときのシルエットがより伝わりやすくなりました。

岡部
奥行きのある無限遠の空間に2Dのモデルの画像を配置すると、どうしても違和感が生まれてしまい、その違和感を解消するのが非常に難しかったです。試行錯誤を重ねて、現在の形にたどり着きました。


山下
Depth mapを細かく調整して、より自然な立体になるように工夫しましたよね。特に、MENSページのジャケット裏が見える画像の立体感は、他の部分よりもわかりやすく、実際に実装されたものを確認したときはすごく感動しました。

有機的でアイコニックなUIにも細やかなこだわりが。

山﨑
デザインでは、熱源やサイトで使っている色を全体的に軽やかで透明感のある感じにしたので、カーソルやボタンなども流体的で透明感のある印象に統一できるよう、たくさんスタディと検証を重ねて、今の形に落ち着きました。


山下
カーソルやボタンの、有機的でもちもちした動きが本当に可愛いですよね。

山﨑
カーソルの動きも公開直前にブラッシュアップしていましたよね。
円運動によって、カーソルが示すアクションの変化がより分かりやすくなり、愛嬌のある可愛い動きに仕上がっていました。


岡部
林さんに、カーソル内のテキストが変わるだけでは変化が分かりづらいから、円運動を加えてみたらどうか?とフィードバックをもらって、それを反映させてみました。インジケーターをドラッグする動きの初期アイデアも林さんのアドバイスがあってこそ実現できました。

山下
個人的にはボタンやリンクのホバーもお気に入りです。カーソルが連れてきた熱源がボタンやリンクを温めて色づくようなイメージで実装しています。

「触っていて気持ちいい」をより追求するための音づくり

仲橋
このタイミングでなぜ音をつけようと思ったんですか?音づくり担当の林さん、教えてください!

林
熱源やシーンの切り替わるタイミングで音が鳴る方がいいと思っていて、空気を読んで先に作ってみたんだよね。

山下
実装提案後に「実は音作ってるんだよね。」っていくつかのデモ音源を聞かせていただいた時は驚きました。

林
最初は軽快に歩いているようなビートが立っている感じのワルツで、シーンごとに音が重なって行くと面白いのではと思って試してみたけど、忙しくて効果的じゃなかったのでやめたんだよね。それから、BGMとしてループさせつつ、熱源と同期して音が鳴ったり、シーンが切り替わる時やホバー・クリックした時に音がなるようにして、SEも幾つかパターンを用意して色んな音で楽しめるようにしました。

山﨑
webサイトでは、ユーザーに音の有無を選択していただくようにしていますが、音ありだと没入感がグッと増すので、ぜひ音ありで見ていただけたら嬉しいですね。
まとめ
このプロジェクトは、1ヶ月半という限られた時間の中で妥協することなく挑戦し続けたチーム一丸の努力と、クライアントやパートナーの皆さまからの温かな支えがあったからこそ実現しました。全ての工程で全力を尽くし、最後の最後まで磨き上げたこのサイトには、多くの人々の情熱と想いが詰まっています。厳しいスケジュールの中で得られた経験は、チーム全体の成長と自信に繋がり、次なる挑戦への大きな糧となりました。このプロジェクトを通じて培われた結束力を胸に、今後もより高みを目指して取り組んでいきます。

新年を迎えまだまだ寒い日が続いているので、ウォームリザーブパンツが大活躍すること間違いなしです。
サイトを見てウォームリザーブパンツに興味を持ってくださる方が少しでも多くいらっしゃると大変嬉しく思います。
多くのギャラリーサイトやサイトまとめ記事にも取り上げていただきありがとうございました。本サイトをご紹介いただいた記事をひとつひとつ見ながら、2024年の素敵な年末を過ごすことができました。
2025/01/22 <br>Edit : 山下 亜加里