2025.10.9

[KOKUYO Vol.3]

ターゲットの異なる

2つの事業領域に横串を通す。

コクヨプロダクトサイト共通の価値

「改めまして、キャンパスノートのコクヨです。
はじめまして、THE CAMPUSのコクヨです。」
このコーポレート領域のメインコピーが示すように、コクヨの最大の強みは、キャンパスノートのような紙製品から、「THE CAMPUS」(東京品川オフィス)のような空間設計まで、幅広い領域を手がけられることにあります。しかし、プロダクトサイト領域(文具・家具)の制作においては、製品の多様性とそれに起因するターゲット層の違いが大きなハードルになりました。
今回の記事では、このプロダクトサイト領域にスポットをあて、制作の裏側をご紹介していきます。

目次

製品の性質とターゲット層の大きな違い

プロダクトサイト領域の制作で直面した課題は、「文具」と「家具」という、まったく異なる性質のプロダクトをどう見せていくか、という点にありました。
文具は、主にB2C(一般消費者向け)であり、学生やライフスタイルに寄り添う存在。一方で家具は、その多くがB2B(ビジネス向け)で、企業やオフィスの環境づくりを担います。
文具と家具という大きさも役割もターゲットもまったく違う製品を、同じフォーマットに収める。そして、異なる2つの領域を、単なるカタログサイトとするのではなく、一貫したウェブ体験としてまとめあげる。これは、極めて難易度の高い試みでした。

「人を支える製品」に共通する価値

コクヨは、困りごとや課題を見つけ、人を想い製品をつくり続けてきました。
たとえターゲットが異なったとしても、必ずこの2つの事業領域を結ぶ共通項があるはず。
その答えとして見えてきたのが、「ものづくり」「スタイル」という2つの切り口でした。

共通の価値1:ものづくり

ヒアリングやツアーなどを通し、製品開発に携わる社員の方々とお話をしていた私たちは、一つひとつの製品の裏側に膨大なストーリーがあることを知っていました。

ここに、あるひとつのエピソードがあります。

役員の方に事業の現状や展望などを一通り伺ったあと、「好きな製品は?」と問いかけると、ものすごい熱量で語ってくださったのです。その姿が今も心に残っています。
「コクヨの製品は使う人のことだけでなく、つくるひと(つまり社員)」のことも考えている。

SAXA(サクサ)の刃先は先端がRになっていて、そのあとは直線。今も刃付けを手作業で行っているため、現場で作業する方のことも考えた設計になっている。切れ味はもちろん、つくり手の苦労を少しでも減らす工夫がなされているという点において、本当のものづくりの価値が出ている製品である。

製品の数だけ、ストーリーがある。そして、製品企画、製品開発、生産管理、営業など、立場や役職は違っても、一人ひとりの人にそれぞれ思い入れのある製品がある。
今まで、ユーザーに届きにくかったこの思いを、このリニューアルを機に、サイトを通して伝えていくことに決めたのです。

方針策定時の提案内容。「コクヨの強みはコクヨの社員が語る」という力強い決心を示した一文がある。
文具領域のトップページ。「コクヨの開発現場から」というエリアで、ものづくりの裏にある熱い思いやエピソードを知ることができる。

共通の価値2:スタイル

文具・家具メーカーの枠にとどまらず、人びとに「体験」を提供することで
自らの社会的役割を「​​WORK & LIFE STYLE Company」と再定義したコクヨ。

「文具領域」「家具領域」といったプロダクトページでも、単に製品のよさを伝えるだけでなく、コクヨが提案する「ワークスタイル」「ライフスタイル」を感じてもらえるよう「スタイルカタログ」という企画を立案。

まるで雑誌を読んでいるかのように、等身大の一歩先の憧れがつまったスタイル。サイト領域間の横のつながりをつくり出し、シナジーを生み出す仕掛けとして取り入れられています。
「スタイル」という共通の編集軸を中心に、領域を超え、文具、家具、そして空間領域までもがつながります。

文具トップにある「スタイルカタログ」のエリア。ビジュアルにもこだわった。

感覚的な体験価値を大切に

サイト全体で共通して重視したのが「ワクワク感」。
プロダクト領域では、主に3つ方法でこのワクワク感をつくり上げていきました。

①まるで文具店、家具店にいるような高揚感

文具領域も家具領域も、新製品が次々と登場します。
そこでサイト上でも目指したのは、まるで文房具屋さんや家具屋さんに足を踏み入れたときのワクワク感。

コクヨの担当者視点では、そのときどきのイチオシアイテムを並べられるショーケースのような感覚で、ウェブ上でVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)ができるような設計・デザインを施しました。

②映像、コマ撮りで製品の魅力を存分に発揮

ヒアリングで浮かび上がった課題が、
「静止画では製品の魅力と使い方が伝わりきらない」ということ。

売り場では当たり前の、触って、試して、わかる感覚を
サイトでも表現することを目指しました。

そこで取り入れたのが、使い方や機能を伝えやすくする映像、親しみを与えるコマアニメなど。一つひとつの製品の特徴を表現しながら、ページに遊び心が加わっています。

方針策定時の提案内容

De タイ

コクヨの製品は、一見真面目ですが、他社にはない色使いやアクセントがあると思います。サイトのデザインにおいても「程よい遊び心」がキーワードとなりました。派手なモーションや装飾は避けつつ、カラーやちょっとした動きを通じて、ユーザーにワクワク感を与える工夫が施されています。

※下層の製品ページなどは現在準備中のため、追って公開いたします。

すべてのフェーズにおいて拠り所となった377Pの方針策定資料も公開中。

続く Vol.4 では、「マガジン領域」制作の舞台裏をご紹介します。どうぞお楽しみに!


▼提案資料(377P)を特別公開中!

簡単な質問にご回答いただくと、資料をダウンロードいただけます!
https://forms.gle/q2ozygdNbB9uQJm19

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▼過去の記事
【KOKUYO Vol.1】イメージを刷新し、コクヨの真価を宿す。複雑な大組織を「人への想い」で繋いだサイト制作
【KOKUYO Vol.2】「らしさ」をどう探り、どう表現したのか? 構成・デザイン・言葉に宿るこだわりを紐解く

取材・文=堀江由利子(mount inc.)

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